底地相続の注意点

相続の財産評価では、実際よりはるかに高く評価されてしまいます!

相続のことを考えると

 相続設計は、まず所有している不動産や金融資産等から将来課税される相続税額と納税財源を把握することから始まります。所有資産の中でも、現預金・有価証券などの金融資産は換金性に優れ、不動産のように複雑な問題は少ないため、あまり対策を講じる必要はありません。
 一方、不動産は個別性(権利関係・法令上の制限・流通性・収益性など)が強いため、
「どの資産を納税財源準備のために売却するのか」
「どの資産を物納のために確保しておくのか」

など、予めシミュレーションをして対策を練っておく必要があります。
特に底地は流通性や収益性が劣るため、実際の資産価値は著しく低いにも関わらず、一定の相続税が課税されてしまいます

 売却・物納が比較的難しい底地について、相続設計上どのように考えるか検討が必要です。相続が発生してしまうと、10ヶ月以内に納税しなければなりません。
10ヶ月と聞くと「意外と余裕あるな」と感じるかもしれませんが、思いのほかすぐに経ってしまいます。
なぜなら、被相続人が亡くなってから四十九日までは葬儀関係でバタバタしているからです。
心理的な理由から、あえて四十九日や百ヵ日が終わるまでは相続に関することに着手しない方もいるでしょう。
「さて、相続は?」となってからはだいたい6ヶ月くらいしかありません。
この6ヶ月の間に売却相手を見つけ、価格交渉を行うことになりますが、時間が限られていることが相手にバレていれば、ややもすると買い叩かれてしまいます。
 物納しようにも、底地は事前に何も事前に準備をしていなければ恐らくそのままでは物納できないでしょう。
結局、現預金で納税できない場合には、良い不動産から物納することになり、底地のような使い勝手の悪い資産ばかりが残ってしまいます。

しかし!
時間に余裕があれば、底地であっても納税財源とすることは十分可能なのです。
 方法は大きく分けて以下の2手法です。
①売却し、現金化する
②物納が認められるように準備する(物納適格要件を満たす)

繰り返しになりますが、相続発生後の10ヶ月で確実に底地を売却したり、物納適格要件を具備することは思いのほか困難ですので、前もって対策を講じておかなくてはなりません。
売却と物納、どちらが有利かとの質問が多く聞かれますが、どちらを選択するかの判断基準は、物納の時に国が引き取る価格(収納価格)は相続税評価額ですので、
「売却価格が相続税評価額より高い場合には売却し、その代金を納税財源に充てることになり、低い場合には物納を選択する」というになります。
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底地は相続前に売却するケースがほとんど

 近年における都心の不動産流通価格はやや上昇トレンドのため、相続税評価額より売却価格の方が高くなるケースが多く見られます。
売却価格のほうが高ければ、売却し受け取った売却代金の一部を納税財源に充てることができますので、現在ではほぼ9割の方は物納せずに前もって売却することを選択しているようです。
売却する場合には、「誰に」、「いくらで」、「いつまでに」売却するかによって、選択する方法が変わりますので、よく検討することが必要です。
 また、物納する場合にも、国に認められるためにいくつかの厳しい要件を満たしていなければなりません。
細かく要件を整備しておかなければならず、時間や費用がかかりますので注意が必要です。
さらに、平成18年度の税制改正によって、物納制度が大きく変わり、従来の相続税対策の定説だった「とりあえず物納申請で時間稼ぎ」はほぼ通用しなくなりました
>>税制改正の詳細はこちらをご参照下さい

早めの対策が「あとで後悔しない」ポイント

 改正前は物納の審査期間について期限の定めがなく、国側が時間をかけて対応していたため、物納申請から許可・却下まで4~5年、長いときには10年かかることもありましたが、新制度では、「物納申請の審査期間は物納申請期限から3ヶ月」と規定されたため、この期間内に物納の準備が完了しなければ却下されてしまいます。
また、準備不足による申請期間延長は最長1年間、物納申請を却下された場合の再申請は20日以内(1回限り)と細かく期限が定められており、これまでのようにとりあえず物納申請をしておいてから納税準備をすればいいという手法は使えなくなったのです。
 これからは事前の相続設計による所有財産の適切な整備と、物納に対する十分な準備なくして物納の許可をとることは困難です。
 また、物納申請期限から物納財産を納付するまでの期間に応じ、利子税がかかることになり、納税者の負担が大きくなりました。
早い時期から物納の要件を整備するなど、迅速に納税を完了できるよう準備しておくことが重要です。
場当たり的・受身的な相続対策ではなく、将来の資産形成も見据えてそのための相続対策の目的を明確にし、どの資産を残し、どのように活用していくのか、また、どの財産を処分していくべきか、積極的・前向きな相続対策を立てましょう

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