地代の相場と算定方法
(1)地代の相場
地代の相場というと、少し前までは固定資産税・都市計画税の2.5~3倍というのが常識的な相場感でした。
しかし、最近では、固定資産税・都市計画税の3~5倍というのも多くみられます。
平成2年秋のバブルの崩壊後も、課税上は固定資産税・都市計画税が値上がりし続けました。
その結果、実際の地価は下がっているのに税金だけが値上がりしてしまいました。
このことは社会的な話題になったため、借地人への地代値上げ交渉も地主にとって有利に働き、地代値上げに応じた借地人もいたようです。
ところが、平成7年から10年頃をピークに固定資産税・都市計画税も下がり始めました。
しかし、税金が下がっても、地代の値下げがおこなわれなかったため、地代は比較的高い水準となりました。
もちろん高い水準といっても、土地全体の有効活用面からみて決して高いという意味ではありません。
ただ、地代の適正水準といっても、契約内容や借地の面積、有効利用の程度によって違ってきます。
固定資産税・都市計画税の倍率だけで高い、安いと一概には言えませんのでご注意ください。
(2)算定方法
借地の地代が適正かどうかを正確に判定するためには、不動産鑑定による方法以外にありません。
しかし、実務的には地代が適正かどうかを簡易的に判断するにあたって「固定資産税・都市計画税の3~4倍程度」と税額をひとつの目安にすることが多いと思います。
これは、税金という基準で判断する方が計算しやすく、借地人・地主双方にとってコンセンサス(意見の一致、合意)を得やすいためです。
(3)不動産鑑定による算定方法
不動産鑑定では、次のような方法が採用されています。
◇差額配分法
現行地代と新規地代との間の差額賃料のうち、貸主に配分する部分を判定し、改定前の現行賃料に加算して、改定後の地代を求める方法です。
差額の配分方法は、契約の内容、契約締結の経緯などを調査分析し、合理的な根拠に基づき行うこととなります。
◇スライド法
現行賃料を決めた時点の地代に経済情勢等に応じた変動率を乗じて求めることになります。
つまり、「改定後の地代=改定前の地代(現行地代)×変動率」となります。
◇利回り法
基礎価格に適正利回りを乗じて固定資産税・都市計画税を加算して求める方法です。
つまり、「改定後の地代=基礎価格×適正利回り+必要諸経費(固定資産税・都市計画税)」となります。
◇賃貸事例比較法
近隣の地代の改定事例を収集して適切な事例の選択を行い、事情補正、時点修正、地域要因の比較、個別的要因の比較、契約内容の比較を行って求める方法です。
◇各手法のウエイト付け
上記4種類のいずれの方法も長所・短所があり、また資料の収集状況などによって各手法によって求められた試算地代の説得力が変わってきます。実務上は、これらの説得力に応じて価格(試算賃料)のウエイト付けすることによって、適正地代を算出することになります。