賃料の鑑定実例

借地権がらみの不動産の価格評価は実に複雑で、かつかなり高度な専門性を要します。
ここでは、弊社が担当させていただきました評価実例一部をご紹介致します。

評価概要

物件の所在 東京都世田谷区
用途地域 第1種中高層住居専用地域
道  路 6m区道
地  積 490㎡
月額地代 120万円
公租公課 500,000円

借地権の賃料評価

A.差額配分法による試算地代
 周辺の地代相場から新規地代を160万円と査定して、差額賃料40万円について契約内容等を配分して鑑定を行った。 
 月額140万円 ウエイト付け:2
B.スライド法による試算地代
 従前の月額地代120万円に適切な変動率1.06を乗じて鑑定を行った。 
 月額127万円 ウエイト付け:1
C.利回り法による試算地代
 敷地価格を基礎として期待利回りを乗じて公租公課を加算して鑑定を行った。
 月額156万円 ウエイト付け:1
D.賃貸事例比較法による試算地代
 近隣の賃貸借の地代の改定事例があり、これを地域要因、個別的要因、契約内容の比較を行って鑑定を行った。 
 月額150万円 ウエイト付け:1
E.試算賃料の調整
各手法の特徴、資料の説得性を勘案して、ウエイト付けを2:1:1:1として鑑定評価額(地代)を決定した。
F.鑑定結果 143万円 

鑑定評価のポイント

・上記は、原告を借地人、被告を地主とする判例です。
・それぞれ算定された試算地代につき、適正賃料額と実際支払賃料額の乖離が甚だしいことを考慮して、差額配分法:利回り法:スライド法:賃貸事例比較法を2:1:1:1の比重を与えて算定しました。
・この事例では、適正地代は143万円、公租公課実額50万円の2.86倍でした。周辺の地代相場による公租公課倍率の平均値は3.20倍でしたが、当該借地の面積が広く、小規模宅地に適用される公租公課の軽減措置が適用されないため、公租公課実額が周辺の借地より高い水準にあることを考慮し、裁判所は、公租公課倍率の差は問題とならないと判定しました。


新規賃料設定と継続賃料設定  ●地代の相場と算定方法

賃料を交渉するには?  ●底地・借地権の賃料トラブル

底地を賃貸するときの注意点  ●鑑定評価の実例